整備士の転職ノウハウ

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ディーラー系整備工場と民間整備工場の違いと自動車整備士の仕事内容

車の整備ができる工場には、大きく分けると自動車ディーラー系の工場と民間の工場の2種類がありますが、どちらの工場で働くかによって仕事内容や働き方が変わります。

転職を検討されている方は、それぞれの特徴や違いを押さえどちらで働くのが自分に合っているかという目線でチェックしてみてください。

公開日 /
赤木 守
この記事を書いた転職サポートの専門家
コーディネーター

これまで、16年間で2,800人以上の自動車整備士の転職をフルサポートしてきたベテランコーディネーター。日本最大手の人材派遣会社で経験を積み、自動車整備士に特化した人材紹介・派遣会社に転職。現在はカンパネルのコーディネーターとして自動車整備士の転職をフルサポートしている。 趣味はゴルフ。

ディーラーとは?

まずは、ディーラーについて整理していきましょう。

ディーラーは、一般的に自動車の販売会社を指しますが、正確には自動車メーカーと特別な契約を結び、そのメーカーの自動車を独占的に販売できる権利を持つ販売会社のことをディーラーと呼びます。

 

また、ディーラーは自動車の販売だけでなく、自動車の点検や整備など購入後のサポートなども行っています。

 

自動車の販売会社には、新車ではなく中古車を扱う会社もあります。中古車販売会社のなかにも、一般的な中古車店とディーラー系の中古車店があることを押さえておきましょう。

 

一般的な中古車店とは、特定のメーカーと契約を結ぶことなく、さまざまなメーカーの車を販売している会社のことです。

 

一方のディーラー系の中古車店とは、特定のメーカーと特約を結んでいる販売会社における中古車部門という位置づけです。

 

ただ、ディーラー系の中古車店の場合、新車のディーラーと違って、特定のメーカーの自動車だけを扱うわけではなく、多岐にわたるメーカーの中古自動車を取り扱っているケースもあります。

ディーラーにおける自動車整備士の仕事内容

特約を結んでいるメーカーの自動車についての修理や整備点検などが、ディーラー系の工場で働く自動車整備士の主な仕事内容です。

 

また、ディーラーオプション等の取り付けやリコール対応といった、ディーラー系の工場ならではの業務もあります。

新車を多く販売する店舗の場合、オプションの取り付けがメインの業務となることもあります。

 

ディーラーの整備工場をさらに区分すると、「認証工場」と「指定工場」に分けることができます。

認証工場は点検や修理をメイン業務としており、指定工場はそれらの業務に加え、車検業務も行います。

ディーラーで働くメリット

ディーラーの整備工場では、特定のメーカーの自動車を取り扱うため、そのメーカーの最新技術に精通することができるのがメリットです。

また、メーカーのなかには整備に特殊な技術を要する自動車もありますが、ディーラーの整備工場にはそうした整備に適した専用の機器や工具がそろっているため、「工具を買わないと整備ができない」というような心配はありません。

ディーラーで働くデメリット

一方で、特定のメーカー以外の自動車に触れる機会が少ないというデメリットがあります。

 

1つのメーカーだけでなく、さまざまなメーカーの自動車に触れたいのであれば、民間整備工場の方がチャンスに恵まれていると言えるでしょう。

 

ディーラーに勤める自動車整備士は、自動車整備士業務のみに集中できるという特徴もあります。

 

民間の場合、フロントや営業なども兼任しなければならない場合がありますが、ディーラーでは部署ごとにしっかり業務内容が区別されていることがほとんどです。

 

自動車整備士としてディーラーに入社した場合でも、のちのちフロントや営業などの他職種に異動になる可能性はあります。

民間整備工場とは?

民間整備工場とは、特定のメーカーに限らず、さまざまなメーカーの自動車を扱う整備工場のことです。

 

整備の内容は多岐にわたりますが、具体的な業務内容は企業によって異なります。

 

自動車整備から鈑金・塗装まで手がける工場もあれば、修理専門や車検業務がメインの整備工場もあります。

 

自動車整備士としてやりたいことが明確に決まっているのであれば、整備工場ごとのメイン業務やサービスの違いまでチェックしておきましょう。

 

民間整備工場における自動車整備士の仕事内容

民間整備工場はディーラーの整備工場と違い、あらゆるメーカーの自動車を扱います。

 

また、民間整備工場といっても会社ごとに規模はさまざまで、従業員何百名という大きな会社もあれば、社長以下数名というところもあります。

 

ディーラーの整備工場と同様、民間整備工場にも認証工場と指定工場の2種類があります。

民間整備工場で働くメリット

国産車のみならず輸入車の点検や修理なども行う機会があるので、自動車に関して幅広い知識と整備技術が身に付けられるのが民間整備工場で働くメリットです。

 

一方、特定メーカーのファンであるとか、あるメーカーの技術に興味があるとか、興味・関心の内容が定まっているのであれば、ディーラーの整備工場こそが職場として適していると言えます。

民間整備工場で働くデメリット

会社の規模にもよりますが、民間整備工場では、ディーラーの整備工場のように特定のメーカーの自動車について特定の業務だけに集中できないケースもあります。

 

特に規模が小さい民間整備工場は従業員も少ないため、受付や営業、自動車の引き取りや納車等、お客様の事情に合わせて動ける柔軟な対応力が求められます。

 

ただし、それだけさまざまな自動車や業務に携われるわけですから、自動車整備士としての幅を広げたい方にとってはスキルアップにふさわしい環境とも言えます。

まとめ

ディーラーは特定のメーカーに対して知識やスキルを深められるのに対し、民間整備工場はさまざまなメーカーに触れられるため幅広い知識・スキルを得ることができます。

 

狭く深くスキル・知識を身に付けたい場合はディーラー、広く浅くスキル・知識を身に付けたい場合は民間整備工場というように、自身がこれからどうなりたいかまで考えて選択してください。

 

また、企業によっても仕事内容や特徴が異なるので、しっかりと求人の情報や企業の採用サイトに目を通してから転職先を決めましょう。